本当の
幸福を
探しに
行こう 得意なものも、人生の目標もない主人公、柊桜木。
楽観主義者で若干馬鹿の悪友、葉月秋五と、一部性格に難ありでギターをこよなく愛する水沢深雪とともに、シャングリラと名付けた廃工場に入り浸る毎日を送っていた。 温かい陽だまりの中にいるような穏やかな時間も永遠に続くことはなく、進路選択の時期がおとずれる。進学を選ぶのか、就職を選ぶのか。結局、桜木は選択することもできず、かといって、適当に人生を決めるだけの覚悟もなく、高校3年の始業式から逃げ出してしまう。 なぜか、追いかけてきた深雪から逃れたどり着いた丘には、視界を覆い尽くすほどの桜の花びらが舞っていた。その光景に見とれながら、ふと、桜の木の下に1人の女生徒がいることに気がつく。 女生徒は、桜木の存在に気が付かず、ただ、独り言を口にする。 「なにがあろうと、なにを失ってしまったとしても、いつかはきっと笑えるように、最後の最後まで生きていたい」 生きる目的が希薄な桜木は、女生徒の言葉に衝撃をうける。
同時に、彼女がクラスメイトであり、名を三上桜ということに気がつくのだった……。 子供から大人へ……。不器用な4人が自分たちの幸福を求め、必死に生き足掻いた日々の物語。 STORY